粘液瘻への注入(リフィーディング)に関する最新情報

乳幼児や早産児における粘液瘻への注入(リフィーディング)に関する論文を4つご紹介します。 また、これらの論文を体系的にレビューし、粘液瘻への注入(リフィーディング)を評価したポスターもご紹介します。こちらはダウンロードできます。

 

4つの論文は外部のサイトにおいて有料となっておりますので、ご注意ください。

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粘液瘻からの注入(リフィーディング)について医師による評価と利点とリスクに関する文献の体系的レビュー

目的:小腸切除後の新生児に対し、口側から排泄された排泄物を肛門側(粘液瘻)から注入する方法は、栄養吸収を促進し、遠位腸管の萎縮を予防する。本研究では、新生児への安全性について評価した。

結論:粘液瘻からの再注入は安全であり、体重増加と完全静脈栄養の依存度低下に貢献する可能性がある。

Journal of Pediatric Surgeryより購入または購読により閲覧可能

壊死性腸炎によりストーマを造設した新生児に対する粘液瘻への注入(リフィーディング)効果

背景:早産児の壊死性腸炎は、多くの場合、壊死した腸管の切除が必要とされ、結果的にストーマ造設が必要となる場合がある。ストーマ閉鎖前に腸管機能向上を目的とし、粘液瘻への注入(リフィーディング)を行う。本研究では、注入の経験を対照群比較した。

結論:粘液瘻からの注入(リフィーディング)は安全であり、吻合部の合併症と非経口による胆汁うっ滞のリスクを軽減することができる。術前の診断及び治療において有用であり、広く推奨すべきである。

著者:Lau E, Fung A, Wong K, Tam P. Beneficial effects of mucous fistula refeeding in necrotizing enterocolitis neonates with enterostomies. Journal of Pediatric Surgery. 2016;51(12):1914-1916.

Pediatric Surgery Internationalより購入または購読により閲覧可能

腸瘻造設術を行った低出生体重児における粘液瘻注入(リフィーディング)の安全性および有効性

目的:低出生体重児における粘液瘻注入(リフィーディング)(MFR)の安全性および有効性を検証する。

結論:MFRは、非経口の栄養管理を不要とし、非経口栄養に関連する肝疾患の発生率を低下させる可能性がある。また注入(リフィーディング)による合併症は発生せず、安全な方法である。

著者:Yabe K, Kouchi K, Takenouchi A, Matsuoka A, Korai T, Nakata C. Safety and efficacy of mucous fistula refeeding in low-birth-weight infants with enterostomies. Pediatric Surgery International. 2019;35(10):1101-1107.

Journal of Maternal-Fetal & Neonatal Medicineより購入または購読により閲覧可能

ストーマ造設後の新生児に対する粘液瘻への定期的な注入(リフィーディング)について

目的:一時的ストーマ造設は新生児の救命に効果的である。しかし、電解質の喪失や肛門側腸管の発達遅延が原因となり、新生児の成長発達にも影響する。早産児及び新生児に対する粘液瘻への注入(リフィーディング)の方法と臨床的効果について報告する。

結論:粘液瘻への注入(リフィーディング)は安全であるが、その成功は専門家チームや時間、設備に依存する。

著者:Sancar S, Sanal M, Renz O, Hechenleitner P. The feasibility of routine use of distal stoma refeeding method in newborns with enterostomy. The Journal of Maternal-Fetal & Neonatal Medicine. 2019;33(17):2897-2901.

Journal of Pediatric Surgeryより購入または購読により閲覧可能

機能性短腸症候群を有する新生児における粘液瘻注入(リフィーディング)の安全性 レトロスペクティブレビュー

目的:小腸切除後の新生児における口側腸管からの排泄物を肛門側腸管に(MF)注入(リフィーディング)することで、栄養吸収を促進し、肛門側腸管の萎縮を予防する。本研究では、新生児への適応について安全性を評価する。

結論:MF注入(リフィーディング)は、新生児の体重増加に寄与し、完全静脈栄養への依存を低減させる可能性のある安全な技法である。

著者:Elliott T, Walton J. Safety of mucous fistula refeeding in neonates with functional short bowel syndrome: レトロスペクティブレビュー Journal of Pediatric Surgery. 2019;54(5):989-992.