自己間欠導尿の継続性は未だ課題です

膀胱の問題の治療は、長期にわたり間欠自己導尿(ISC)が最善の治療法として認識されています。しかしながら、長期継続性への障壁がいまだに存在します。
それはなぜでしょうか?

間欠自己導尿:ゴールドスタンダード

間欠自己導尿により、患者さんの自立が促されたり2、性活動への障害も小さくなったりします。2 また、症状の管理もより良好となり、自由度が増し、それまで困難であった日常生活や社会活動に参加できるようなります。3

ISCの中止はいまだに高い率で見られます4

Journal of Urologyに発表された2010年の研究で言及されている通り、50%以上の患者さんがISCを開始して5年以内に中止しています。4 ISCを中止する患者さんの大半は、カテーテル留置法など他の排尿管理に変更しているようです。4 この背景にあるものは何でしょうか?

誤った認識が中断をもたらします。

当社の研究によると、患者さんのISCに対する認識と実際がかけ離れているということが多いということがわかりました。5 そしてこれは、多くの場合、患者さんが自分の身体の構造を理解していないことが原因です。このような誤った認識は、ISCを治療選択として受け入れるための妨害となり、時間の経過とともに使用をやめるという結果に至ります。

なぜ、障壁があるのか?

男性の場合

多くの男性は、失禁問題があることを生殖能力や男性らしさへがなくなるのではないかと考えます。6 ISCユーザーを対象としたある研究によると、ほぼ50%の男性が、カテーテル挿入に対する障壁を持っていることがわかりました。7 ある看護師は、「挿入しなければならないチューブの長さに、男性患者さんは必ずショックを受けます。大半の人が、これほど長いチューブを挿入することは、安全でなく、必要でもないと考えます」とコメントしています。

女性の場合

女性にとっては、物理的な障壁は自分の生体構造の理解にかかっています。7ISCユーザーを対象とした当社の研究によると、50%の女性が尿道がどこにあるかを知りませんでした。7当社の研究で面談した一人の看護師は、:「女性は(男性より)(ISC)を使うということを受け入れやすい傾向にありますが、身体的な適応が問題です」。9 と説明しています。

障壁に対処するには教育がカギである。

解剖図を用いると、患者さんが自分の体の構造を理解しやすくなります。また、患者さんの恐怖感を取り除き、ISCを有効な治療選択として受け入れるためにも有効です。

ISCトレーニングセッションで使用するための解剖図が必要である場合は、コロプラストの担当者までご連絡ください。

ご存知でしたか?

  • 50%以上の患者さんがISCを開始して5年以内に中止しています4
  • ISCを使用した患者さんの42%は、膀胱を空にする方法を変更しました1
  • 20%以上の患者さんが留置法に変更しました10
参考文献

1 Blok B, Pannek J, Castro-Diaz D, del Popolo G, Groen J, Hamid R, Karsenty G et al. EAU Guidelines on neuro-urology, European Association of Urology, 2016.

2 Vahr S, Cobussen-Boekhorst H, Eikenboom J, Geng V, Holroyd S, Lester M et al. Evidence-based guidelines for best practice in urological health care. Catheterisation; urethral intermittent in adults; dilatation, urethral intermittent in adults. European Association of Urology Nurses (EAUN). 2013.

3 Pilloni SKJ, Mair D, Madersbacher H, Kessler TM. Intermittent catheterisation in older people: a valuable alternative to an i ndwelling catheter? Age Ageing. 2005;3

4:57–60 4 Cameron AP, Wallner LP, Tate DG, Sarma AV, Rodriguez GM and Clemens JQ. Bladder management after spinal cord injury in the United S tates 1972 to 2005. J Urol 2010;184(1):213-7.

5 Coloplast_Symposium_ISCoS_2016

6 Coloplast_Market_Study_Masculine incontinence_2007_Data-on-file (PM-03239)

7 Coloplast_Market_Study_IC Research_2015_Data-on-file (PM-03238)

8 Coloplast_Market_Study_GfK IC Research_2015_Data-on-file (PM-03236)

9 Coloplast_Market_Study_IC adherence insights_2017_Data-on-file (PM-03237)

10 Afsar SI, YemiscibOU, Cosar SNS and Cetin N. Compliance with clean intermittent catheterization in spinal cord injury patients: a long -term follow-up study. Spinal Cord. 2013; 51: 645-9

ISCの継続性に関するさらなる情報

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受け入れまでの道

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モチベーションを通じて治療への信頼を築く

患者さんの間欠自己導尿カテーテル(ISC)を長期的に継続して使用するために、前向きなモチベーションは強力なツールとなります。このセクションでは、患者さんにISCの価値を知ってもらうために、どのように「短期的な利点」を理解し、使用するかを説明します。

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ISCのトレーニングを最大限に活用する

効率的な間欠自己導尿カテーテル(ISC)トレーニングは、長期使用を実現するのに大変重要です。しかし、CICトレーニングには患者さんの心理状態が大きく影響します。

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使用方法ガイド

患者さんにCICトレーニングを行う際は、弊社の自己導尿カテーテル使用方法の動画を役立てください。

医療従事者のための教育

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患者さんのやる気を起こさせる面談

間欠導尿について患者と話すための、モチベーションを起こさせる面談テクニックの使用方法を説明します。

治療の継続性の促進とサポート

患者さんの行動を変えて治療を継続してもらうためにどのような手助けができるでしょうか?

エビデンス

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間欠自己導尿(ISC)患者さんの継続性向上の支援

この定性的研究では、患者さんの治療継続性を妨げるものと促すものについての見識を示し、ICの継続性を向上させるために患者さんと協力する方法を提案しています。