モチベーションを通じて治療への信頼を築く

患者さんが間欠自己導尿(ISC)を受け入れられるよう支援する際に鍵となるのは、患者さんに治療を信じて決意してもらうことです。そのためには、患者さんが「ISC にどのような価値があり、自分の望む暮らしにどう役立つのか」を理解する必要があります。

すぐに受けられる短期的な恩恵で患者の意欲 を引き出す

医療従事者は従来、長期的な健康のシナリオを考えるものでした。
治療指示を忠実に実行させるために、通常は「ISC の習慣を忠実に守って、1 日に 4~6 回十分に排尿すれば、膀胱を良好な状態に保ち、尿路感染症(UTI)や腎障害のリスクを軽減できる」といった根拠を示します。


このアプローチの問題点として、こうした長期的なシナリオでは多くの場合、患者さんの意欲を十分に引き出せません。
患者さんは今のところ UTI を経験していないかもしれませんし、膀胱の良い状態の重要性を具体的にはイメージできない可能性もあります。
結果として、長期的な視点だけでは、治療を受け入れて忠実に実行する意欲を引き出す強さがありません。


患者さんの意欲を効果的に引き出すには、長期的な視点に目先の恩恵を組み合わせるべきです。1

すぐに受けられる短期的な恩恵を見つける

患者さんが ISC の好ましい習慣を続ける意欲を引き出すために、習慣がもたらすすぐに受けられる短期的な恩恵に着目する方法があります。


それぞれの患者さんの不安や希望を明らかにしたら、ISC を使うことでそうした不安をどう克服できるか、またそうした希望をどう叶えられるのか伝えます。


下の図は、ISC がもたらすすぐに受けられる短期的な恩恵と、ISC を忠実に実行しなかった場合の長期的リスクの両方を示しています 1。

例:
活発な性生活やスポーツを再開できるかを主に心配している患者さんには、蓄尿バッグのついた長期留置型カテーテルを使用する場合と違って、器具を身に着けずにできる点を強調して、ISC のメリットに目を向けてもらいます。
ISC により、物事をより自由に楽しむことができます。

参照リスト:
1 Coloplast_Market_Study_IC Research_2015_Data-on-file (PM-03238)